
オレもそれなりに長いこと生きてきたが、2011年は考えさせられることの多い1年だったね。「宵越しの金はもたねぃのが江戸っ子の身上だ」なんて軽口たたかず、物事には準備ってもんが大切だと痛感したよ。自然や神様といった大きな力の前には人間なんてちっぽれなものかもしれないが、備えあれば憂い無し。謙虚な心積もりこそ肝心だ。新年を迎えるにあたり、早めに準備を始めようじゃないか。
歳神様をお迎えするにあたり、必要なものが揃うのが歳の市。かつては門松から注連(しめ)飾り、縁起物の鉢植えの南天や屠蘇を入れる杯や重箱、おせちの材料、凧に独楽まで、なんでもござれ。日用品を新調することがお清めに通ずるんだ。せっかく揃えた正月飾り、時間がないからって大晦日にあわてて飾っちゃいけないよ。
「一夜飾り」といって縁起が悪いからね。
案外ギリギリになりがちなのが年賀状の準備。宛名書きに必死になるあまり、肝心の挨拶文がおろそかになっては本末転倒。相手によって賀詞も選ぶことも大切なルールだ。「寿」「福」などの1文字、そして「賀春」「迎春」などの2文字の賀詞を使っていいのは、相手が目下や友人のみ。「謹賀新年」「といった4文字の賀詞や「謹んで新春のお慶びを申し上げます」という賀詞であれば目上・目下問わず使えるから間違いない。「謹」「恭」「敬」「頌」など、相手への敬意と丁寧な気持ちを表す語を用いることで、礼儀にかなった挨拶となるということを覚えておくといいね。
お年玉とポチ袋
ポチ袋って、実はそんなに古いモンじゃないって知ってた?
江戸時代のお金は札じゃなくて銭。銭は袋に入れず、懐紙に包んで渡したんだ。そもそもお年玉とは年頭の贈り物であり、古くは餅だったが手ぬぐいや半紙になり、子どもたちに金品を与えるようになったのは最近のこと。
目上の者が目下に贈る「年の賜物」ということから「としだま」と呼ばれるようになったとか。神様の御霊を頂くことで新たな一年が良いものとなるよう願いもこめられているんだね。
2012年の干支は辰。十二支で唯一の空想の動物の登場だ。今回ポチ袋に用いたのは「竜の落とし子」。魚なのに体の中で卵と稚魚を保護することから、安産のお守りとして干物を妊婦に持たせる風習も。
新しい年に希望をこめながら、今年はゆっくり早めの準備をしようか....。
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